形状比

林業の樹木管理の指標に「形状比」がある。形状比とは樹木の高さを胸高直径で割った値である。形状比70未満が健全な森となる数値であるとされている。つまり70を超えると風や雪などの被害を受けやすい森となることを示している。

福井県の鋸谷氏が提唱されている「鋸谷式間伐方法」で最大の技術指針はこの形状比による樹木の管理方法と思われる。

しかし、その技術に付随する「強度間伐」や「切り捨て間伐」が一人歩きし、都合の良い解釈のもとに取り入れられている。それらは全て、優れた樹木に育て上げる目的ではなく、経費を抑えるために取り入れられているにすぎない。

そのために形状比をはるかに超えた林地が強度間伐をされ、30年以上を経過した木材として利用すべき林地がコスト的に成り立たないことを理由に、安易に切り捨て間伐がされている。